ユニオンサンプルロースターが欲しいんだけど、本当のところはどう?
今回はこのような悩みに答えていきます。
こんにちはコーヒーマイスターのモフです。
家庭用の焙煎機を探し始めると目に留まる、ユニオンサンプルロースター。
プロアマ問わず多くの人が使用している手回し焙煎機です。
カッコ良い、美味しいコーヒー豆が焼けそう。
いざ欲しいと思って考え始めると、いろいろなことが気になる。
はじめての焙煎、はじめての焙煎機購入、値段も安くはない・・・大丈夫か???
わたしが購入する際に気になっていたことを箇条書きにまとめます。
- 焙煎初心者の私でも使えるのか
- 少量でも焙煎できるのか
- 自分の家で問題なく使えるのか
- どのくらいの場所があれば収納できるか
大丈夫!この記事を読めば不安が解消しますよ!!
この記事では、筆者が2年間サンプルロースターを実際に使用した経験をもとにお伝えします。
筆者はコーヒーマイスターの資格を保有し、コーヒー全般の知識を有しています。
それでは、はじめていきましょう。
1.ユニオンサンプルロースターの良かった点
まず、購入して良かった点を紹介していきます。
1.1 ユニオンサンプルロースターは簡単で使いやすい
ユニオンサンプルロースターは、手回しの焙煎機。
1.1.1 溝のついた台座の上に窯を置いてハンドルを回す
サンプルロースターの窯部分を火にかけて、まんべんなく豆が焼けるようにハンドルを手で回します。
窯は付属の台座の溝にはまってなめらかに回転します。
ハンドルが付いた窯が鋳物の台座の上を回転するシンプルな構造。
熱源はついていないので、別途用意する必要があります。
1.1.2 キッチンのガスコンロでも焙煎できるが注意が必要
カセットコンロや自宅のキッチンのコンロでも焙煎できます。
わたしは自宅のキッチンで焙煎しています。
キッチンで焙煎する際には、注意が必要です。
商品に添付されている台座にのせて、コンロにかけようとするとキッチンのヘリにハンドルがあたってまわせませんでした。
わたしは、ホームセンターで調達したレンガにサンプルロースターを乗せて使っています。
IHでは使えません。
1.2 ユニオンサンプルロースターで焙煎する際に必要なもの
ユニオンサンプルロースターには添付品が付いてきます。
焙煎するには、サンプルロースターのほかにも用意する必要のある道具があります。
1.2.1 4つの添付品
ユニオンサンプルロースターを購入すると、ザル、テストスプーン、じょうご、コーヒー入門書が添付されてきます。
1.2.1.1 ザル
焙煎した豆を窯からザルにあけます。
ザルで焙煎した豆を冷却します。
1.2.1.2 テストスプーン
テストスプーンで焙煎中の豆を少量、取り出します。
窯を回しながら、テストスプーンを差し込むと、溝に豆が入って取り出せます。
テストスプーンに豆をのせたままで、色、形、香りを確認して、窯に戻します。
豆の確認を何度か繰り返して、目標とする焙煎度に到達したら、窯からザルに豆をあけます。
1.2.1.3 じょうご
生豆は”じょうご”を使って窯にいれます。
じょうごを使うと豆をこぼさずに窯にいれられます。
1.2.1.4 コーヒー入門書
コーヒー焙煎がはじめての方のための入門書です。
焙煎度の色味の目安があり、、窯出しのタイミングを計る際の参考になります。
1.2.2 そのほかに必要なもの
そのほかに必要なものをあげます。
温度計、クリップ、軍手、生豆、うちわまたは扇風機、タイマー、コンロ、ライト。
ひとつずつ説明していきますね。
1.2.2.1 温度計
温度計があれば、窯内部の温度がわかります。
火力を調整して、何度も同じ温度変化で焙煎できるようになります。
同じ温度変化で焙煎できると、同じ焙煎度の豆を焼けるようになります。
1.2.2.2 クリップ
クリップで温度計を固定します。
窯出口の温度をうまく測れるように、アームが可変のものがおすすめです。
わたしは、YAZAWAの”どっちもクリップCLW1″を使っています。
一方に温度計のプローブを。
他方に重しとしてやかんの取っ手を挟んで使っています。
1.2.2.3 軍手
焙煎中、窯の温度は200℃以上です。
やけどしないように、軍手をはめて焙煎します。
1.2.2.4 生豆
焙煎する材料です。
事前にハンドピックして欠点豆を取り除いておきます。
ハンドピックの方法はこちらの記事をご覧ください。
1.2.2.5 うちわまたは扇風機
焙煎した豆を冷やします。
窯から出しても、豆が持っている熱で焙煎が進行します。
ザルに豆をあけたら、できるだけ速やかに冷却します。
わたしは、卓上扇風機で冷却しています。
うちわであおぐより、らくに冷却できます。
1.2.2.6タイマー
タイマーで投入した生豆の加熱時間を計測します。
温度計とタイマーを用いて、窯内の時間経過による温度変化を記録します。
記録があると、焙煎の進行をあわせることができ、結果として同じ焙煎度の豆を焙煎できます。
時間経過による温度変化の記録を”焙煎プロファイル”と呼びます。
こちらの記事でユニオンサンプルロースターでイルガチェフG1の豆を焙煎したプロファイルを紹介しています。
1.2.2.7 コンロ
ユニオンサンプルロースターには熱源がありません。
カセットコンロや自宅キッチンのコンロなど熱源が必要です。
IHでは焙煎できません。
1.2.2.8 ライト
テストスプーンで取り出した豆の色を見て、窯出しのタイミングを計ります。
焙煎中の豆色の変化は微妙です。
微妙な変化を見分けられるように、明るい光が必要です。
わたしは、スポットライトでスプーンで取り出した豆を照らして窯出しのタイミングをはかっています。
1.3 ユニオンサンプルロースターは少量でも焙煎できる
サンプルロースターは少量の生豆でも焙煎できます。
わたしは、生豆量200gから500gまで焙煎しました。
生豆の量が少ないと焙煎の進行が速く、多いと遅くなります。
300g前後が安定して焼きやすいです。
1.4 ユニオンサンプルロースターは自宅で問題なく使える
サンプルロースターは自宅で問題なく使えます。
焙煎で気になる点、煙、チャフの飛び散り、においについて紹介します。
1.4.1煙は中深煎りまでであればあまり出ない
焙煎中の煙は、キッチンの換気扇で十分間に合います。
中深煎りで窯出しすれば、ほとんど煙もでません。
1.4.2 豆を冷却する際にチャフが飛び散るが掃除すれば問題ない
焙煎中には、窯の外にチャフが飛びちることは、ありません。
豆を冷却する際に、扇風機の風をあてていると、チャフが飛び散ることがあります。
わたしは、卓上のミニちり取りとほうきでチャフを掃除しています。
1.4.3 焙煎するとにおいは出る
焙煎すると、コーヒーのローストされたにおいがします。
焙煎後は、部屋の窓を開けて換気しましょう。
1.5 ユニオンサンプルロースターがあれば好きな豆を好みの焙煎度合いに焼ける
ユニオンサンプルロースターがあれば、焙煎すると好みの豆を好きな焙煎度で飲めます。
1.6 ユニオンサンプルロースターがあればコーヒーをお得に飲める
焙煎すると、お得にコーヒーが楽しめます。
自分で生豆を購入して、焙煎、抽出。
1杯あたり、10円~20円ほどで、品質の高い美味しいコーヒーをいただけます。
1.6 ユニオンサンプルロースター(パンチなし)はきれいな味のコーヒーをつくりやすい
サンプルロースターには、パンチありのものと、なしのものがあります。
わたしはパンチなしのものを購入しました。
パンチありのものは、ロースト感が強い味。
パンチなしのものは、コーヒー豆の持っている酸味をきれいに出しやすいです。
わたしの好みは、スペシャリティコーヒーと呼ばれる特徴的な酸味を持ったコーヒー。
パンチなしのサンプルロースターは、スペシャリティコーヒーの酸味をきれいに引き出してくれて、気に入っています。
2.ユニオンサンプルロースターの残念だった点
ユニオンサンプルロースターの残念な点をお伝えします。
2.1 ユニオンサンプルロースターは温度がわからない
サンプルロースターには、温度計測装置がありません。
窯の温度管理をするには、別途温度計の購入が必要です。
わたしは、サーモプロのTP-16という温度計を使っています。
サーモプロTP-16はプローグがついているのが特徴です。
窯出口にプローグをセット。
本体は手元におけて表示が読みやすいです。
わたしは、1分ごとに温度を計測して、予定した温度上昇になるようにコンロの火加減を調整しています。
温度は読み取りやすいものが良いです。
手回し焙煎機の温度計について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
2.2 ユニオンサンプルロースターは豆の冷却装置がない
ユニオンサンプルロースターには、焙煎した豆を冷却する機能はありません。
わたしは、卓上扇風機で冷却しています。
2.3 ユニオンサンプルロースターで500gの生豆を焙煎すると時間がかかる
サンプルロースターで、500gのグアテマラ生豆をシティーローストまで焙煎するのに、26分かかります。
熱源の火の強さによって、目的の焙煎度に焼きあがるまでの時間は変わります。
生豆を多く入れると比熱が大きくなり、焙煎に時間がかかります。
300gのグアテマラであれば、シティローストまで18分かかります。
経験上、300gで焙煎すると味が安定します。
2.4 ユニオンサンプルロースターは毎回セッティングするのが大変
サンプルロースターをキッチンで使う場合、出したりしまったりが少し面倒です。
焙煎のたびに、サンプルロースターをキッチンに運び、温度計やライトをセットしなおしています。
2.5 保管場所を確保する必要がある
キッチンで焙煎する場合、置おきっぱなしにできないので、しまう場所が必要になります。
サンプルロースターのサイズは、ハンドル部を含んで、
W40cm×D18cm×H25cm。
キッチンの棚に場所が確保できず、自室の隅に置いてあります。
使うたびにキッチンに運んでいます。
3.ユニオンサンプルロースターのよくあるQ&A
ユニオンサンプルロースターのよくある質問に回答します。
- サンプルロースターの使用中の振動や音は気になりますか?
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サンプルロースターは台座の溝にはめた窯をハンドルをまわして回転させます。
ハンドルを回すと、台座の溝のなかでなめらかに回転します。
振動はありませんが、ギコギコと音がします。
大きな音ではないので慣れれば気になりません。
- サンプルロースターの操作は簡単ですか?特別なスキルや知識は必要ですか?
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操作は窯を火にかけてハンドルをまわすだけなので簡単です。
以下をしっかり行おうとすると、焙煎やカッピングなど広い知識が必要です。
- 自分の思った味のコーヒー豆を焙煎したい
- 狙った焙煎度のコーヒー豆を焼きたい
- 毎回同じ味のコーヒー豆を焼きたい
カッピングの方法は以下の記事で紹介しています。
SCAJのカッピング方法がわかる|初心者でもすぐにはじめられる SCAJのカッピング方法教えて!コーヒーマイスターにチャレンジする前に知っておきたい。 こんにちはコーヒーマイスターのモフです。 コーヒーのカッピング。 はじめての… - ロースターの性能や品質はどうですか?一度に焙煎できる量や焙煎の均一性について教えてください。
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サンプルロースターは一度に500gまで焙煎できます。
1秒間に1回転ほどの同じ速度で回し続けると、均一に豆が焼けます。
窯内部に羽があり、回転させると同じ場所に豆が留まることがない構造になっています。
豆の均一性は、以下の通りです。
(不均一) 手振り焙煎器 < ユニオンサンプルロースター < 業務用機械式焙煎機 (均一)
焙煎後ハンドピックをすると、より均一にできます。
焙煎後ハンドピックの方法は以下の記事で紹介しています。
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4.まとめ
ユニオンサンプルロースターの良かった点、残念な点を紹介してきました。
ユニオンサンプルロースターがあれば、自宅で簡単に焙煎ができるとわかりましたね。
ぜひ、焙煎機を購入して、焙煎をはじめてみてください。
コーヒーの世界が大きく広がりますよ。
以上、”【レビュー】ユニオンサンプルロースターを2年間使用して”でした。
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